Structure
太極拳は相手の運動慣性を利用するため、腕力や瞬発力を必要としません。
自ら動くのではなく相手に動かされて自分の重心が移動します。
身体は、自分の意識によって、各関節を無理なく緩むことができるところに運ばれます。
下半身が無理なく緩むことができるところは、重心が安定するところです。重心の移動が太極拳の基本であり、攻防の根幹部分でもあります。
自分で積極的に動くのを止めたことで、独特のゆったりした動きができあがったのです。その動きは、精神の静寂に伴う精緻な技法が骨格となって表現されます。
至虚への道 楊 進 著 より